『日経エンタテインメント!』連載の『新・ももクロ61分3本勝負』は、ももいろクローバーZのメンバーと川上アキラマネージャーによる人気コラムです。日経エンタテインメント!特設サイトでは、その“延長戦”を掲載しています。今回、話を聞くのは川上マネージャー、そして“ももクロのアイドル”、佐々木彩夏さんです。

延長戦の第4回に登場するのは佐々木彩夏さんです(写真/中川容邦)
延長戦の第4回に登場するのは佐々木彩夏さんです(写真/中川容邦)

大会場と小会場で同じコンセプトのライブを

――日経エンタテインメント! 2022年7月号の連載(「春一ではモノノフさん全員と目が合ったと思います」)では、4月23日、24日に福島県・Jビレッジで開催された春イベント「ももクロ春の一大事2022 笑顔のチカラ つなげるオモイ in 楢葉・広野・浪江 三町合同大会」、そして出演している「楽天トラベル」「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」というテレビCMについて、お話を聞いています。こちらの“延長戦”では、6月25日の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」でフィナーレを迎えたツアー「ももいろクローバーZ 6th ALBUM TOUR “祝典”」について聞きます。このツアーは、久しぶりにコンセプトがはっきりしたライブでしたね。

川上 僕はできるだけイメージを強くするのが好きなんですが、レコード会社にも考えがある。そのバランスを取りながら、(2013年の「5th DIMENSION」ツアーや「GOUNN」ツアーも担当した)総合演出の岡本祐次さんが実現していった形ですね。

佐々木 アルバム制作に関しては私たちも意見を出しましたが、ツアーの演出に関しては岡本さんにお任せです。ただ私たちのイメージと違うというのはなかったですね。「ちょっと違くない?」と思ったメンバーはいなかったんじゃないかな。

川上 パフォーマンスもどんどんブラッシュアップしていきましたからね。今回のチャレンジは武道館のような大会場と地方都市のホールとで同じコンセプトのライブが可能かという点でした。小さな会場でも、照明や電飾といった部分で会場によって制約が異なるんですよね。そこも岡本さんが上手に対応してくれて。

――ステージに立って、会場のサイズの違いは感じましたか。

佐々木 私的には別物でしたね。やっぱり、小さいほうが世界観は作りやすいなと思った。(今回のツアーは)新曲が多いので、考えることがいっぱいあるんです。普段のライブと違って振り付けも覚えないといけないし、コンセプトがしっかりしているから歌詞を間違ったら恥ずかしいし(笑)。ステージング的なところで考えることもたくさんある。そうやって世界観を強くやっていきたいという中で、広い会場は一番後ろのお客さんまでちゃんとその世界観に入り込めているかも心配になるなあって。

 やっぱり「春の一大事」とのギャップがあったかもしれませんね。春一は本当にお客さんといっぱいコミュニケーションが取れたライブだったんです(日経エンタテインメント!7月号連載参照)。「祝典」ツアーは、世界観を楽しんでいただきたいライブなので、みんなに手を振ったりレスを送ったりすることはできない。でも『HAND』のようなお客さんと一緒に楽しめる曲もあるから、そこのバランスをどうするかが重要になる。そう考えると、改めて大きい会場と小さい会場は全然違うなって思いました。

「やっぱりモノノフはすごいって思った」

――ライブは三部構成。第一部と第二部がアルバム曲で構成され、アンコールの第三部で初めてMCが入る形でした。

川上 第三部の始め方でみんな悩んでいたんですよ。Overtureの後に出てきてトークを始める形にしたんですが、どうだった?

佐々木 私は違和感はなかった。

川上 あれ、ちょっとすかされている感じがあって、よかったよね(笑)。

――アンコールで歌う曲は変えたんですか。

川上 最初は同じでいこうと思ったのですが、やっぱり来た人にとっては自分たちが見たライブが他のライブとは違うのはうれしいじゃないかって考えて、変えることにしました。曲は彼女(佐々木彩夏)が決めています。

佐々木 『走れ!』は全会場でやろうと決まっていたので、他の曲をどう選ぶかですよね。なかなか行けない都市でのライブは分かりやすい曲がいいかなって考えて選んだりしましたが、基本的にはちょっとでもお客さんとアイコンタクトが取れるような、温かい空気になるような曲を選びました。

 でも、久しぶりにアルバムツアーをやってみて、やっぱりモノノフ(ももクロのファンの愛称)はすごいって思った。発売前のライブで、聴いたことがない曲のはずなのに、飲み込みが早くて。ラスサビ(楽曲中で最後のサビ)ではみんな完璧でしたから(笑)。

ささき・あやか
ささき・あやか 1996年6月11日生まれ。神奈川県出身。07年、小学生のときにスカウトされ、スターダストプロモーション入り。08年11月、ももいろクローバーに参加。キャッチフレーズは「ももクロのアイドル」。イメージカラーはピンク・愛称は「あーりん」。
かわかみ・あきら
1974年9月10日生まれ。98年に大学を卒業。同年スターダストプロモーション入社。08年にももいろクローバーを立ち上げ、現在はももクロのほか、新たなプロジェクト「スターダストプラネット」も担当
13
この記事をいいね!する