『日経エンタテインメント!』連載の『新・ももクロ61分3本勝負』は、ももいろクローバーZのメンバーと川上アキラマネージャーによる人気コラムです。日経エンタテインメント!特設サイトでは、その“延長戦”を掲載しています。今回、話を聞くのは川上マネージャー、そしてももクロの“鋼少女”、高城れにさんです。
アルバムツアーは緊張する
――日経エンタテインメント! 2022年5月号の連載(「ソロコンのテーマは『どんな私も受け止めて』でした」)では、ソロコンサート「まるごとれにちゃん2022 RENICHAN WORLD」、そして4月23日、24日に福島県・Jビレッジで開催される、21年以来の春イベント「ももクロ春の一大事2022 笑顔のチカラ つなげるオモイ in 楢葉・広野・浪江 三町合同大会」について、お話を聞いています。こちらの“延長戦”では、発売日が近づいてきた6枚目のアルバム『祝典』、そして5月からスタートする久々のアルバムツアーについて聞きます。アルバムの発売日はももクロが結成14周年を迎える5月17日です。
川上 レコーディングは終わりました。いかがですか、高城さん、手応えは?
高城 14周年を記念するのにふさわしい1枚になっていると思います。10周年のときだったら歌えない曲が入っていますから。アルバムに新たに収録される曲は聴かせる曲が多いんですよ。「ザ・アイドルソング」ではない曲というか、1つの音楽として楽しんでもらえる曲がたくさん入っている。もちろんももクロ色を感じさせる曲も入っているので、両方が楽しめる「欲張りセット」です。楽しみにしていてください。
――全国16都市を回るアルバムツアー(「MOMOIRO CLOVER Z 6th ALBUM TOUR “祝典”」)も発表されました。どんなツアーになりそうですか。
川上 5thツアー(2枚目のアルバム発売時に行った「ももいろクローバーZ JAPAN TOUR 2013『5TH DIMENSION』」)とか、GOUNNツアー(シングル曲『GOUNN』発売時の『ももいろクローバーZ JAPAN TOUR 2013「GOUNN」』)のように、しっかりしたコンセプトがあるライブになると思います。
高城 アルバムツアーは緊張するんですよ。来る人は「音源でしか聴いたことがない曲が生ではどう聴こえるのか」と期待してくるからハードルが上がっていると思う。私たちも観客の前で歌うのは初めてだし、ダンスも初めて踊るわけですからね。“第一印象”をよくしたいと思うから、緊張しちゃう(笑)。
――会場を見ると、日本武道館もあれば、規模の大きくない会場もあるんですね。
川上 「春の一大事」に立候補してくれた自治体も回ろうと考えたからですね。
高城 小さな会場もすごく楽しみ。私たちも客席の1人ひとりの顔をじっくり見られるということですからね(笑)。
――全国を回るというと、全都道府県を回ったツアー「ももいろクローバーZ ジャパンツアー『青春』」を思い出します。
川上 あのときは来場者を会場がある県内に限定しましたが、今回は「春の一大事」のように、全国から来てほしいと考えています。ただ小さい会場もあるので、1人で何カ所も回るのではなく、1回見たら他のライブはまだ見ていない人に回してもらえるとうれしいですね。
印象に残っているももクロのツアーは……
――2008年の結成以来、ももクロは様々なツアーを行ってきました。大きなツアーとしては5カ所のドーム球場で開催し25万人以上を動員した「DOME TREK 2016」から、小さな規模では全国のヤマダ電機の店頭を回る「ヤマダ電機ツアー」まで。ただコロナ禍もあってツアーは2018年の「青春」ツアー以来となります。高城さんが印象に残っているのは?
高城 やっぱりドームツアーかな。3枚目と4枚目のアルバム(『AMARANTHUS』と『白金の夜明け』)を同時に出したときのツアーだったので、Day1とDay2ではライブの世界観が全然違ったんですよ。だから大変だったけど、でもそれが毎週のルーティーンになるというのがすごく新鮮だったというのも覚えています。あと、あのときはソロの見せ場があって。
――高城さんはタップダンスを披露しました。
高城 あの“課題”を抱えながら全国を回ったのが印象的でした。グループで歌っていたのに、急にソロを披露しなくてはいけなくなるあの不安感は新しい経験で。毎回緊張との戦いでした。
――そういう意味では小さな会場のほうが緊張しない?
高城 小さい会場は小さい会場で緊張するんですよ。これはまた別の緊張なんです。小さいからの緊張感というか。ドームクラスでの緊張ではない、教室で前に出てスピーチするときのような緊張感があるんです(笑)。
(写真/中川容邦)