この娘には毎回、驚かされる。ももいろクローバーZの百田夏菜子だ。
普段は、よく天然ぶりを発揮し、みんなにいじられるリーダー。だが、ライブのMCでは、本当にファンの胸を打つであろう言葉を紡ぐ。先月23日に東京ドームで行われた結成10周年記念ライブの時もそうだった。
メンバー4人が、涙ながらに10年を振り返った感動のフィナーレ。最後を飾った百田も、まずは初の東京ドーム単独公演を実現できるまでに成長できたことをファンに感謝。続けて「前に、『目の前が真っ暗になっちゃったときは、みんなのペンライトを目当てに進んでいけたらいいな』と言ったことがあったと思うけど、4人になったときに本当に真っ暗になっちゃって…。正直、どうやって進んでいったら良いのか分からなくなって、少し道に迷いそうになっている自分がいました」と、1月にメンバーの有安杏果が卒業したことに触れた。
そんな中、最後に5人で行ったライブでファンのペンライトに彩られた会場を見て勇気をもらったと明かし、「4人でできることは、まだたくさんある。ももクロって最強だって、もっとたくさんの人に思ってもらえるように頑張りたい」と宣言。少し間を置くと「私は…私たちを見てじゃなくても、(ファンの)みんなが笑顔でいたら良いなって…いい人ぶると、本当に思うんです」とつぶやいた。え?何を言い出すんだろう?と思った瞬間、また一呼吸すると「でも、欲を言うと、その(笑顔の)理由が私たちだったらいいなと思います」と飛びっ切りの笑顔。ファンからは、この日、一番の歓声が沸き起こった。
普段から決して作った言葉は発さず、素直な思いを口にしてきた百田。ファンもそれが分かるからこそ、この純粋な彼女をますます応援したい気持ちになったと思う。